空飛ぶITコンサルタント

企業内診断士のヨシダが「AI」「パン」「働き方」について語ります

史記「曾参が人を殺した」の故事から現代のデマ拡散を紐解く

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1.史記「曾参が人を殺した」

三人これを疑えば、その母も懼る

昔、孝行者で知られた曾参というものがいました。あるとき、曾参と同姓同名の男が、人を殺しました。とある人が曾参の母親に、「曾参が人を殺した」といいましたが、母親は取り合いませんでした。その後、別の人がきて、「曾参が人を殺した」と知らせましたがまた取り合いませんでした。ところが、三人目にきた人が「曾参がひとを殺した」と知らせると、母親は機織りの器具である杼をなげだして、垣根を越えて逃げ出してしまいました。曾参は徳が高く、その母親は固く信じていたのでしょうが、3人もの人が疑えば、その母親でさえ信じてしまうのです。

この故事は史記「樗里子甘茂列伝」の一節。この曾参の故事を説いた甘茂は秦の人。紀元前3世紀に活躍した人物。甘茂は母親の半生を掛けた孝行息子への信頼も3人で揺らぐ事から、人間の心理なんて脆いもの、である事を諭しています。故事が故事を説く。

 

2.東京オリンピック中止のデマ

www.huffingtonpost.jp

昨日の朝、これはひどいと思いました。朝から不快なもの見せんなって。

IOCが一番気にしている「ビッグスポンサーの不利益」を容易に選択するわけねーだろ。この記事は経済の「け」の文字も分からん馬鹿者の仕業でしょう。

3.考察

少なくとも 2300年前から、甘茂時代から人間の心理の弱さは変わっていない事を理解しましょう。訳のわからないデマが拡散するのは、少数の人間が面白がってブログTwitterFacebookで広めると、これが史記の言う所の「デマを伝える3人」になります。うわー。

東京オリンピック中止のデマは、あからさまなフェイクニュースだから問題にならないのですが、曾参の話は「同姓同名の別人の曾参が実際に犯罪に手を染めた」のですから、デマを伝えた3人は嘘を言っていないわけです。ここに問題があります。

例えば、災害時に広がる嘘やデマは、その内容が嘘デタラメであったり、事実検証がイマイチな情報であっても「私が信頼できる人から聞いたから!」という一点で「私がは嘘とは思わない」「これは事実」という非合理性がまかり通ります。これは恐ろしい。

情報は複数の情報源から取得することが基本ですが、「曾参」の故事は異なる情報源から情報を得ても騙される事を教訓として与えてくれます。

だから、少し議論は飛躍しますが、現代人は自分の脳みその中だけで考えるのではなくて、情報を俯瞰して真偽を処理する技術を身に着けた方が良いと考えます。例えばナレッジグラフとか。

 

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