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連帯保証人制度に"保証人の利益保証"を加えれば丸く収まる

1.日本の連帯保証人制度がさり気なくやり玉

www4.nhk.or.jp

tabelog.com

朝、たまたま見ていたNHK BS「ニッポンぶらり鉄道旅」。

今日は高田馬場ベトナム料理店が紹介されていた。ベトナム人によるベトナムのサンドイッチ「バインミー」が美味しそう。

しかし、番組で紹介されていた店「バインミーシンチャオ」のベトナム人兄弟経営者が、店を出す時に困ったことが印象に残ったので紹介します。

「店を借りる時に日本人の連帯保証人が必要なこと。途方に暮れた」

ベトナム人経営者は結局留学先の大学の恩師(日本人)に連帯保証人を頼んだそうです。うーん、少し思うことがあるので、連帯保証人制度の問題点解決方法指摘します。

2.連帯保証人制度の問題点

保証人とは、主たる債務者がその債務を履行しない場合に、その履行をなす債務(保証債務)を負う者をいう(wikipedia)

まず連帯保証人という制度は、債権者側の保護の仕組みでしか無いので債務者サイドから見ると「利益上げる金利とか値入とかしているのに、更にその保証までするのか」と憤慨する法律に仕上がっている。また債権者側のデューデリジェンス力の無さを自らさらけ出す結果にもなっています。リスク背負いましょうホント、ここについては情けない限り。

3.連帯保証人制度はリターンを明文化するべき

私は連帯保証人ではなく、民法446条「保証人」自体がイマイチである、と中小企業診断士視点で思うところです。連帯保証人の利益保証がない点、全くセンス無いです。

債務肩代わりのリスクを負う代わりに、債務金額の一定の割合を連帯保証人が手数料として受け取れる制度があればうまく回るじゃないか、と思うわけだから。カネのある所に人集まるのは真理で、既に住宅ローン締結時保証会社手数料取っているじゃないか。なぜ連帯保証人はその制度がないのか。リスク背負うだけって馬鹿げていませんか?

連帯保証人が当たり前の業界人はこの提案を鼻で笑うかも知れないが、鼻で笑う連中はは債権者の視点でしか連帯保証人制度を見れていない。連帯保証人を債務者側が嫌う理由は「ハイリスクNoリターン」ここに尽きる。

4.連帯保証人は1300年の歴史の重みが「強み」 

私も今回調べて初めて知ったことがある。連帯保証人701年大宝律令制定からの歴史を誇る非常に古い法律である。基は唐の律令と言われている。

www.rentai-forum.net

私はてっきり明治29年の制定の明治民法で制定、日本120年の歴史がある法律と認識していた。これは士業の試験問題の答えとしては模範解答だが、正しく保証人の歴史を捉えていない。これは恥ずかしい。反省。

つまり1300年も日本の中で脈々と用いられてきた法であり、その法を基に商習慣も出来上がるわけだから、日本の中に染み付いて漂白しても脱臭しても取り切れない「重み」がある。だから現代人が声高々に吠えても「保証人」自体はビクともしない。

togetter.com

5.「連帯保証人制度」の変更に賛成だが廃止には反対

2020年から保証人制度が改正になる。連帯保証人側の権利が追加で保証されることになり、改善されたと言える。

www.newrule.jp

主な変更内容(上記サイトから)

・連帯保証人の負担額上限明記が義務。

・債務者が連帯保証人に財産・収支・その他債務状況の開示が義務。

 ・債権者が連帯保証人からの質問に回答することが義務。

・債権者が債務者の期限利益喪失を2ヶ月以内に連帯保証人に連絡することが義務。 

6.考察

私は「連帯保証人制度」の廃止には反対です。現在連帯保証人により得られる社会厚生があるからです。具体的には信用力の無い個人がリスクを取る事を手伝い、円滑な商取引の推進に一役買っています。

連帯保証人が居なく日本はどうなるでしょうか。

これはかなり悲観的なシナリオが見えます。私が考えるシナリオを紹介します。

1.債権者側企業の業務停滞、業績悪化

デューデリジェンス力の足りない債権者企業は、物件を人に貸すときもビクビク、ローン締結時もビクビク。一念発起して勉強しても、付け焼き刃の査定能力では仕事は失敗続き、仕事が上手く回らなくなり、債権者側の業務停滞につながります。

2.個人・企業スコアリング制度の急速な導入

中国のアリババの芝麻信用に代表される、個人・企業の信用度スコアリング制度が、日本にも急速に発展します。結局自分の企業ではデューデリが無理なのだから公的機関に「客観視できる基準」つまり日本国民の個人スコアリングを懇願します。

これは恐ろしいシナリオです。但し現在連帯保証人制度に頼っている賃貸業界、金融業界の総力(つまり得票)があれば、政府を動かす事は不可能ではないでしょう。

3.日本国内の格差拡大

スコアリングの弱点として失敗からの復活が容易ではないという点が挙げられます。一度不払いや会社の倒産などにより個人のスコアが下がると、その個人はスコア低下の分、社会で不便を蒙ります。これは痛い。這い上がるチャンスは少ない。

格差拡大は一般国民に拡大、日本活力の源泉である中間層は消滅します。結果ひと握りの上流層と、大半の下流層を発生させます。その結果、不公平に非常に敏感な日本はまたたく間に社会不安へと突入します。

4.政権交代と社会混迷、国力衰退

下流層拡大は下流層の意向を組んだ政権の誕生を意味します。上流層への増税は避けられず国外退避等で層の衰退が始まります。すると国民皆貧乏の社会の出来上がりです。

 

以上です。皆さんが目の敵にしている連帯保証人は、日本全体視点でみれば「されど連帯保証人」です。 

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